2012.02.11 Saturday/ |
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『ありがと。あのころの宝もの十二話』でこの作家の作品を読んでましたが、申し訳ないけど話を思い出せませんでした。 この本はこの作者のデビュー作で、第4回鮎川哲也賞受賞作でもあります。 妻ある詩人と不倫関係の主人公、あやめが喫茶店仲間8人と慰安旅行で真夏の孤島で過ごすことになり、そこで殺人事件が発生するというお話です。無人島、密室、連続殺人、犯人探しと、ミステリ好きにはたまらない、お約束の要素はすべてそろっています。 アガサクリスティーの『そして誰もいなくなった』を意識しているのかな、と思いながら読み進めました。 最初、『アコオディオン』とか『ボォト』といった、いちいち伸ばすカタカナの表記が鼻につき、ちょっと失敗したかも……と思ったけど、読み薦めると意外と気にならなかったです。 途中、時代が現代じゃないからなのかとも思ったけど、書かれた時期こそ20年近く前でしたが、その当時を舞台にしているみたいでしたね。 後半で、クリスティーの別の作品のオマージュだったか、と思わされましたが、さらに真相がひっくり返り、ミステリ的にはやられちゃいました。(ちょっともやっと感が残ったけど) ただ、この作品の面白さは、ミステリ的なものより、ミステリに絡めた人間模様だと思います。 登場人物たちがみな青臭く、甘酸っぱい感じで青春しています。誰もが心の中に抱えている昏い部分出てきて、ドロドロしてしまうのも、若さゆえ。ああいうのが、大人っぽいなぁ、と思っていた若いころを思い出しちゃいました 総合的には、ラストの切なさが秀逸な女性向けのミステリって感じで、満足できる作品でした。
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休暇旅行先の弧島で起こる連続殺人。
新感覚の本格推理長編。第4回鮎川哲也賞受賞作。
再読。いわゆる孤島もの。
ベタな設定。全体に昏い...
粋な提案 (2010/06/11 11:50 AM)
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